愛の楔
この世界に定年なんか通じるわけないだろ………
しかし、一度決めたら意地でも貫き通す頑固者だ。………俺が諦めるしかない。
「分かった………」
「さすが、俺の息子………ついでに引退式は明後日な」
「は?」
「その時にお前の組長就任式もやるから」
なんて強引、なんて自分勝手。
こいつは果たして本当に俺の父親なのだろうか。
「………もう、どうにでもしてくれ……」
相手にするのも疲れた。
げんなりとしていた俺は、どうにでも、と言った瞬間にニヤリと笑った親父には気づかなかった。
「そうか。更についでだが」
「次は何だ」
「その日にお前の婚約者と婚姻式もする予定だ」
「婚、約者……?」
何だそれは。初耳だった。