愛の楔



………鍵をかけるくらいに重要なものか


「………怪しいですね」


ポツリと炯が呟く。


「怪しい、だと」

「もし中身が銃だったらどうするんです」


まさか、と俺は炯を睨む。
こいつの異常なまでの警戒心と妄想には感服してしまう。


「………美空を疑うか」


お前も見ただろう、あの様を。


「それは中身を確かめてからです」


負けじと炯も俺を見返す。


俺は、舌打ちをするとそれを持って立ち上がる。
これの中身がわかればいいなら今すぐあけてもらおうじゃないか。


本人に。


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