薔薇とアリスと2人の王子
「……あれ?」
岩影を覗くと同時にそう無意識に声を漏らすと、カールは固まったよ。
「何であなたがいるんですか?」
岩影には確かにイヴァンがいたよ。波が打ちよせる岩に座ってさ。
カールが驚いたのは、その目の前の海中にエルザの恋人であるルートヴィヒが浮いていたからなんだ!
「ああ、弟さん。たまたま会ったイヴァンさんとお話させてもらってたんです」
ルートヴィヒがやや気弱めに言った。
「何の話をしていたんです? 兄さん」
「お前が加わると余計なことになる……」
と、げんなりした様子のイヴァン。
「いいじゃないですか。僕がいないと大変なくせに~」
カールも兄に倣って岩に腰を下ろすと、相変わらず髪をいじりながらルートヴィヒに聞いたんだ。
「……で? 兄さんとお話なんて何を話してたんです?」
「その、エルザの事なんです」
うん、とカールが頷いて先を促す。
「恋人だというのになかなか素直になってくれなくて。あげく海に戻らないとまで言い出す始末ですし!」
「ツンデレだよ、それは」
カールはエルザが海に戻るつもりなことを知っていたけど、黙っていた方が後々面白そうだったんで何も言わなかったよ。
エルザ自身からもルートヴィヒには何も言うなときつく言いつけられていたしね。
岩影を覗くと同時にそう無意識に声を漏らすと、カールは固まったよ。
「何であなたがいるんですか?」
岩影には確かにイヴァンがいたよ。波が打ちよせる岩に座ってさ。
カールが驚いたのは、その目の前の海中にエルザの恋人であるルートヴィヒが浮いていたからなんだ!
「ああ、弟さん。たまたま会ったイヴァンさんとお話させてもらってたんです」
ルートヴィヒがやや気弱めに言った。
「何の話をしていたんです? 兄さん」
「お前が加わると余計なことになる……」
と、げんなりした様子のイヴァン。
「いいじゃないですか。僕がいないと大変なくせに~」
カールも兄に倣って岩に腰を下ろすと、相変わらず髪をいじりながらルートヴィヒに聞いたんだ。
「……で? 兄さんとお話なんて何を話してたんです?」
「その、エルザの事なんです」
うん、とカールが頷いて先を促す。
「恋人だというのになかなか素直になってくれなくて。あげく海に戻らないとまで言い出す始末ですし!」
「ツンデレだよ、それは」
カールはエルザが海に戻るつもりなことを知っていたけど、黙っていた方が後々面白そうだったんで何も言わなかったよ。
エルザ自身からもルートヴィヒには何も言うなときつく言いつけられていたしね。