薔薇とアリスと2人の王子
「宿屋でいいわよね、さっき通った道にあったわ」

「宿屋? 若い娘のいる民家にしようよ」


 そんなカールの愚考は無視して、アリスはさっさと宿屋目指して歩きはじめた。

 間もなく宿屋に着くと、その豪華な造りに驚かされたよ!
 周りと変わらず黒いレンガ造りだけど、立派な建物だった。

「やっとまともな寝床にたどり着きましたね、兄さん!」

「これがまとも? 豪華すぎるわよ。お金が……」

「案ずるな。宝石のひとつやふたつ、宿主にやればいい」


 貧乏生活しか知らないアリスは、贅沢すぎる宿屋に畏縮しながらも兄弟のあとについてドアを開け、中に入ったんだ。
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