薔薇とアリスと2人の王子
 ライオンやら鷹やらの装飾が施された豪華なドアをくぐると、紳士的な男が立っていてね。
 一番前にいたアリスに声をかける。

「いらっしゃいませ、ご予約は?」

「よ、予約?」

 戸惑うアリスの後ろから、ひょこっとカールが顔を出した。

「予約はしてないけど、これでいいかい?」

 カールは服についていた赤い宝石を取り、紳士に渡した。
 紳士はニッコリとしてアリス達を通してくれたんだ。

「ね? 簡単でしょ」

「………そうね」

 もうどうでも良くなったアリスは、何も言わず宿屋に入ったよ。



 案内された部屋は、シャンデリアや馬鹿でかいソファまであって、どう見ても高価そうな所でさ。

 通りがけに見てきた客室とは全然違う。
 カールが渡した宝石に見合った部屋なのだろうとアリスは判断した。

「こんな金の使い方をしてるから貴族ってバカになるのね……」

 アリスは目の前にいる2人のバカ貴族を見て、つくづくそう思ったよ。
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