薔薇とアリスと2人の王子
「衣装屋に行ったら、お前を閉じ込めた魔女がいたぞ」

 と、これはイヴァン。

「え? アンネお婆さんが?」

「名前は知らないがな。その魔女がお前に似合うドレスを出してきたんだ」


 ラプンツェルはドレスを受け取ると、若干震える手で広げてみた。

 ふわりと優しく広がるドレス。
 初めての美しい洋服に、ラプンツェルは頬を紅潮させる。

「素敵ですね……私に似合うのかしら……」

 長年暗やみに引き込もっていたとはいえ、彼女も若い女の子だ。

 華やかなドレスを前に、嬉しそうな表情を見せていたよ。


「大丈夫よ。あなた本当はとっても可愛いもの」

「アリスさん……」

「さっそく着替えましょうよ! 王子達は後ろ向いていてよね。こっち向いたらそこの窓から突き落とすわよ」

 イヴァンとカールは窓の下、遠い地面を見て顔を引きつらせたよ。

「兄さんから落ちれば僕は助かりますよね!」

「あんな根暗女の着替えを見る気か? 得しないぞ」

 ラプンツェルの着替えが終わるまで、兄弟は窓の外に広がる森とドロローソの街を眺めていたんだ。
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