薔薇とアリスと2人の王子
(だ、大丈夫。あの馬鹿王子共も簡単に捕まるはずないわ。殺しても死んだりしないような二人だもの。大丈夫よ、たぶん……)
アリスは床に転がったまま、自分に言い聞かせるようにそう思うことにしたんだ。
+
一方その頃、王子二人は。
「ふふ……。実に綺麗な顔の兄弟だ。まさか私の城に忍び込んだのがこんな美しいお客だとはな」
見事にドナウアー氏に捕らえられていてね。縄で両手を縛られていて、兄弟揃って客間の床に座らされていたんだ。
妻のイディは部屋から出て行ってしまっていてさ。この場にはいなかった。
恐怖の色を微塵も見せないカールが、強い口調で言った。
「この城は“人殺し城”と呼ばれているらしいですね。どういうことなんです?」
「私の妻となった者が、次々と死を遂げているようだからね」
イヴァンが言った。
「“死を遂げているようだからね”ではないだろう。お前が殺していたんだな。そして現在の妻――イディのことも殺すつもりなのだろう」
アリスは床に転がったまま、自分に言い聞かせるようにそう思うことにしたんだ。
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一方その頃、王子二人は。
「ふふ……。実に綺麗な顔の兄弟だ。まさか私の城に忍び込んだのがこんな美しいお客だとはな」
見事にドナウアー氏に捕らえられていてね。縄で両手を縛られていて、兄弟揃って客間の床に座らされていたんだ。
妻のイディは部屋から出て行ってしまっていてさ。この場にはいなかった。
恐怖の色を微塵も見せないカールが、強い口調で言った。
「この城は“人殺し城”と呼ばれているらしいですね。どういうことなんです?」
「私の妻となった者が、次々と死を遂げているようだからね」
イヴァンが言った。
「“死を遂げているようだからね”ではないだろう。お前が殺していたんだな。そして現在の妻――イディのことも殺すつもりなのだろう」
![[短編] 昨日の僕は生きていた。](https://www.berrys-cafe.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)