クロスロード

「……ふ、触れてください」



自分で自分を追い詰め過ぎて、意味不明な催促をしていた。


言ってから後悔するのはいつものこと。

シンと静まった空気に我に返ると、さあっと頭が真っ白になった。



い、い、今私凄い変なこと言ったよね。ふ、触れてとか言ってたよね。

……ど、うしよう。

明らかに欲求不満です、って感じの言葉だったよね!?



「あっ、あの、今の無――、」

「婚約のこと秘密にしたいって言ったの、誰」

「……私、です」

「敬語」

「はい……っじゃなくて、うん…」



ああ、もう、何これ。

矛盾しすぎてるよ私。


どんどん欲張りになっていくのが目に見えているから怖い。



……半年前はこんな願いを持ったことはなかった。



一回知ってしまったら最後。

何かにとりつかれたように、彼を求めてしまうんだ。

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