アリスとウサギ
「名前、ホントにアリスちゃんていうの?」
「苗字が有栖川っていうんです。だからみんなにそう呼ばれてるんですよ」
「へぇ、珍しいね」
20年生きてきて何度この会話をしただろうか。
合コンのような出会いの席では、名前が理由で必ず話題にされる。
「彼氏は?」
「いたら参加してないですって」
「あはは、そうだよね」
席を入れ替わり立ち替わりしながら、五人のお兄さんたちとくまなく話をしていく。
早苗も他の女の子もそれぞれ会話を楽しんでいるようだ。
そのうちに1対1で話したり2対2で盛り上がったりしてまとまっていき、アリスは直人という青年の隣に落ち着いた。
「へえ、直人さんってうちの卒業生なんですね」
「そうそう。この中じゃ俺だけ大学院出てないの。仕事も営業だし」