ハツコイ☆血肉色
☆7 ユリカ
はらりとブラが落ちる。


寸前、わたしは両手で胸を覆った。


ここは一度、じらしたほうがいい。

じらしてもったいぶるほどに、その効果は発揮されるのだ。

なにしろ相手は、筋金入りのおっぱいフェチなのだから。


「恥ずかしい……」


正面の鏡にうつった彼に向かって、いかにも照れくさそうに言ってみる。


後ろから、円城寺くんの腕がヌっと伸びてきた。


彼はわたしの手首をつかみ、胸から手を引きはがそうとした。

少し力を入れて彼に抵抗してみたけれど、尋常じゃない力ですぐに引きはがされた。


円城寺くんは、かっと目を見開いた。


鏡にうつったわたしの胸を凝視したまま、金縛りにあったようにピクリとも動かない。


そこはかとなく張りつめた空気が漂うなか、ゴクリという唾を飲みこむ音が聞こえたかと思うと、円城寺くんはつかんでいたわたしの手首を離し、胸をわしづかみにした。


かなり興奮しているらしく、彼の荒々しい鼻息がわたしの耳に吹きかかった。


「あ……」


と、切なげな声を出してみる。


円城寺くんはなにも言わず、一心不乱に胸を揉みつづけていた。


「あぁ……」


ますます彼の鼻息は荒くなり、手の動きがどんどん激しくなっていく。


「あん……」

「おい」

「そんなに激し……え?」

「貴様……なんのつもりだこれは」
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