~Snow White~『一巻』
「今度ね・・・住んでいた家に
連れて行ってほしい・・・・。」


私は智久の胸の中で言った。


「いいよ。」


「それから、園にも・・・・」


「たくさん時間のとれる時
連れて行くよ。」



智久の胸に耳を当てると
響く声・・・・・・


「ありがとう。
一緒に来てくれて・・・
うれしかった。」



「行こうか?」



智久が私の手をとって
歩き出す。



パパ・・・ママ・・・
どうかこの幸せがいつまでも
続きますように・・・・


二人の墓を振り返りながら
そう祈った。
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