~Snow White~『一巻』
「ママはパパに染められたんだって。
幸せな色に・・・・
その意味が今分かった気がする。
愛する人と感じる色が
私を染めてくれるって・・・・・。
今はこの真っ青な海の色・・・・
それから真っ赤な夕日だったり
月の明かりだったり・・・
その色を感じるためにママは
真っ白な心でいなさいって
言ったんだわ・・・・・
なんて、素敵な言葉だったんだろう。」



智久は私を抱きしめた。


「ずっとその言葉が思い出でもあって
プレッシャーでもあった。
ママのように愛する人に抱きしめて
もらえるなんて
思えなかったから・・・・
なんの希望も未来さえ見えなくて
幸せそうな家族を憎んだり
あなたの背中に絡みつく
真冬に嫉妬したり
私をおいて行った両親を恨んだり
だからどんどん心が汚れていく
それが怖かったの・・・・・」



「雪湖の心は真っ白で
汚れなくて、キレイだったじゃん?」

智久の唇が触れた・・・・・。
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