笑顔製造機
そのあとはとても順調だった。
その日の内に全クリできた。

完徹だったけどもういいや。
今日は入学式だけだからソッコー家帰って寝よう。

そう思ってクマをしっかり作って充血した目のまま家を出た。

でも、多分いろいろ私にもイケナイとこはあった。

というか、気づいた時が遅すぎた。

朝、部屋の壁に掛ってた制服が受験して受かった高校のものじゃないことにも気付かなかったし、妙に家中にダンボール箱が散乱してることにも大して気にかけなかった。
入学式だからということで、送ってくれる車内の中でも眠っちゃったからどこに向かってるのかもわかんなかったし。
半分夢の中というか、席ついて寝ちゃって入学式の間はずっと寝てた。


隣の子にトントンと肩を叩かれて、起きた。

「んあ?」

「教室に移動だって。」

「おけ、おけ。」

ほとんど夢の中状態でその子のあとについて行った。

「よだれ・・・ついてるよ。」

そう言われて、口元をぬぐった。

あー恥ずかし。

でも、ねむッ!

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