窓に灯

 ここにきて、俺はやっと決心がついた。

 恵里に男のことを問いただそう。

 遅くなる本当の理由も、ちゃんと話をしてもらおう。

 どんな真実が待っているにしろ、このままでいいわけがない。



 とりあえず鍵がないのは困るな。

 自業自得ではあるのだが。

 再度かけてみても電話には出ない。

 メールをすると、返信はわりかし早く来た。

〈郵便受けの奥に入れてあるよ。鍵くらいちゃんと持って行ってよね〉

 最後に怒った顔文字がピクピク動いている。

 恵里こそ、ちゃんと本当のこと話せよな。

 どうして電話はダメでメールはいいんだよ。

 俺がメール苦手なの知ってるくせに。

 ……声、聞きたかったのに。

 誰といるんだよ。

 何してんだよ。




 俺は携帯を閉じてアパートへと帰った。






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