オサナナジミ


そういえばさっきから辰也クンの姿をみかけない


帰っちゃったのかな?


アタシは探しにいくことにした


個室をでて、入口のほうへ向かう


踊ってる人たちのなかにいないか慎重に見てまわる


『あっ』


見つけた


柱に寄りかかってケータイをいじっている


『辰也クン!』


辰也クンはすぐにアタシに気づいた


アタシは辰也クンのもとへいった


『何してたの?』


「特になんにも?なんとなく部屋に居ずらかったから・・」


辰也クンは顔をちょっと赤くした


アタシはそんな辰也クンの顔が見れなくて


「なんか顔赤いよ?」


『ちょっとお酒飲んだから・・』


「あれ?未穂チャンもう酒なんか飲むの?」


『まぁ・・』


そのとき辰也クンの手がアタシの頬にそっと触れた


驚いてビクっとなった


「なんで目合わせてくんないの?」


顔を近づけてささやいてくる


心臓が破裂しそうなくらいドキドキしてる


目なんか合わせられないよ・・
< 110 / 188 >

この作品をシェア

pagetop