オサナナジミ


思い出せなかったのは髪の色とか雰囲気が違っていたからだろう


いつもは優しい感じなのに今日はちょっと怖い


『髪の色変えたんですね』


「思い出した?そうなんだよー。金パツにした。似合うでしょ?」


『最初全然わかりませんでした。前黒髪だったし』


辰也クンは笑った


あの頃と同じ表情で


『最近は来ませんね。何かあったんですか?』


「別に?俺酒未だに飲めないから誘われなくなっちゃった」


『アハハっ前はなんで誘われてたのかわかりませんでしたけどね』


変わってないな


見た目とは全然違う優しい人


山崎辰也(ヤマザキタツヤ)


家にきてた頃アタシはまだ遊んだりしてなかったからそんなに話は合わなかった


でもムリに合わせてくれて


アタシ的には凄く嬉しかった


お酒飲めないなら飲み会なんて断ればいいのに、わざわざ家にきてはアタシに意味のないことをペチャクチャ話す


これがほとんど毎週行われていた


アタシはいつしかそれを楽しみにしていた


優しい人だったから


ちょっとだけ好きになったりもしたから


でももちろん辰也クンには彼女がいて


いつもノロケ話を聞かされていた


アタシはそれを複雑な気持ちで聞いていた


でもアタシが2年生になってからは1度も見ていない


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