恋せよ乙女
いやいやいや。
ってゆーか何。何なのこの状況。
伝わって来る体温に、どうしようもなく鼓動が速くなる。前に、予想外なことに弱いって言っておいたはずなのに。
ってかこの人、どんだけ動くの早いの。
たった今まであっちに座ってたじゃんか。あ、もしかして氷室さんの足には、ジェットみたいなのがついてるとか……?
錯乱する頭の中、思考回路はマジでショート寸前。でも、そんなくだらないことを考えられるあたり、あたしにも少し余裕があるのかもしれない。
「…えーっと、何でしょう、氷室さん。」
恐る恐るそう尋ねてみると、ゆっくりと離された手。
何とも読み取りにくい彼の表情を見つめながら、紡がれるであろう言葉を待つ。