恋せよ乙女
目を伏せ、ゆっくりと息を吐く鈴木さん。
それを繰り返すことにより、微かに上下する肩を見つめていれば、彼女は「別に……、」と、呟くように切り出した。
「別に、あなたがそれに興味あろうが無かろうが、私には関係ないの。ただ……」
「ただ……?」
「ただ、“好きがわからない”と言っていた恭君が、どうしてあなたと付き合い始めたのかを知りたいだけ。本当にそれが本心からだったのかどうか、をね。」
“好きがわからない”
それはあたしも、氷室さんに言われたことがある。でもそのあと、あたしのことがきっと好きなんだと、そう確かに言ってくれた。
だから、本心だったのかどうか、なんて、そんなの疑うべきものじゃないでしょ。
それに、あたしの想いが、努力が報われた瞬間のことを、第三者にとやかく言われる筋合いはない。