恋せよ乙女
「さっきも言ったけど、好きがわからないと言って私と別れた恭君が、今になってあなたと付き合い始めたのはおかしいわ。私には信じられない。」
「……それが何。鈴木さんにはもう、関係ないでしょ。」
関係ない。
もうこれ以上、あたしの邪魔をしないで。
せっかく実った想いを、疑わないで。
「そう。なら、勝手に言ってればいいわ。
でも、これだけは覚えておいて。恭君の好きという気持ちと、加藤さんの好きという気持ちは、同じようで全然違うのよ。あの時の私たちがそうだったようにね。」
ドアノブに手をかけ、過去に想いを馳せるように切なげな表情を浮かべた鈴木さん。でもそれはほんの一瞬で、刹那、憎悪が込められたような瞳が、静かにあたしに向けられた。