恋せよ乙女

世奈が言っていた通り、今日の放課は早い。
何たって、片付けを終えてすぐに下校となる訳だから、普段の午前授業の日と大差ない時間帯で帰ることができる。

半ばサボり気味でその後の片付けをやり過ごし、明日・明後日の振替休日について帰りのHRで述べる先生の話を、例の如く軽く聞き流して。

ようやく迎えた放課後に、思わず小さく息を吐いた。


「なーにため息なんてついてんの。さっさと行くよ。」


そんなあたしとは対照的に明るく振る舞いながら、あたしの手を引いて道を進む世奈に、思わず顔が綻ぶ。

不意に振り向いた世奈の笑顔に、あたしもそっと微笑みを返した。
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