恋せよ乙女
「誤解って、何? 現に、あたしを見つけたのは隼人。探してくれたのは世奈達でしょ。氷室さんはあたしが居なくなったことさえ知らないで、鈴木さんと生徒会の仕事をしてたって、そう、隼人が言ってた。」
本当は、氷室さんに来てほしかった。助けてほしかった。隼人には申し訳ないけれど、暗闇の中あたしが求めていたのは、やっぱり氷室さんだったから。
気持ちが高ぶるほど、溢れそうになる涙。それを必死に堪えるせいか、瞳に溜まる涙が視界を歪ませた。
「隼人が、そう言ったの……?」
刹那、消え入りそうな声で呟いた問いが、耳に届く。それが世奈の声であるのに気づくまで、僅か1秒ほど。
劣悪な視界のせいで世奈の表情はよくわからないけれど、微かな動揺が確かに伝わって来た。