恋せよ乙女
でも、そんなことに構っている時間が惜しくて。それに第一、あたしの行動を一々鈴木さんに文句をつけられる筋合いなんて、ない。
あたしはちゃんと、氷室さんと向き合う。
しっかり自分の気持ちを伝える。
それがあたしの目的だと、さっきそう決めたんだ。
けれど、立ちはだかる鈴木さんを無視して横を通り過ぎようとした刹那、強く右腕を掴まれた。
「恭君には会わせない。」
引き寄せられ、耳元でそう呟かれた言葉に、ハッと視線を鈴木さんに向ける。
「鈴木さんには、関係ないでしょ。」
「関係ないわけないでしょ。前にも言ったわよね。私も恭君が好きだって。」
ぎりぎりと音を立てそうなくらい、強く掴まれている腕が痛い。
「だからあなたに、今の恭君は会わせられない。」
勝手な理屈を、長々と並べないでよ。
鈴木さんに何の権利があって、あたしの邪魔をするの。