恋せよ乙女
通い慣れた生徒会室は三階。
そこまで続く階段が、今日はやけに長く感じた。
もどかしい気持ちを抑えて黙々と階段を駆け上がる。そして、二階の階段ホールに差し掛かったとき、上から徐々に近づいてくる足音に足を止めた。
もしや、氷室さん……?
そんな淡い期待に反し、姿を現したのは今一番見たくない相手。聞くだけで苛つく声が、辺りに響く。
「……あら。加藤さんじゃない。」
「鈴木、さん…。」
「帰宅部で委員会にも無所属なあなたが、下校時刻を過ぎた今、何の用があって、どこに行こうとしてるの?」
……そんなの、わかってるくせに。
わざとらしく、一々あたしに聞かなくたって、あたしが何をしようとしてるのか、どこに行こうとしてるのか、そんなこと鈴木さんは気づいているはずなのに。
あたしの数段上にいる鈴木さんを睨みつけると、彼女は嫌らしく口角を上げ、あたしを見下ろした。