時の旋律


次に見た光景は、赤色だった。空も、草も木も地面も、何もかも赤色だった。

その中心には、頬に沙耶の血がついた俺と、もう二度と動くことはない沙耶。
周りには、まるでペンキを大量にこぼしたように赤い液体が広がっていた。


ーー?


何が起こったかは、わからない。

だけど、生きているのは俺だけということと、この光景は俺が創り出したんだということは嫌でも理解できた。
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