【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「集合っ!!」


次の日の練習では、まだどこか気のない奴ばっか。

一輝がいない間にチーム潰す気か!!


練習を中断して、全員に声をかける。


「お前ら何しにきてんの?野球?見学?それとも、悟りでも開いてんの?」


集中力がないとかの問題じゃなくて、皆心ここに在らずって感じ。


「一輝に同情してる暇があったら、これをチャンスだと思え!!一輝を越えるチャンスなんて、そうそうないぞ?」


このイライラをうまく言葉にするのって難しい。

キャプテンのすごさを痛感する。




「一輝がこのまま終わるはずないんだ。俺らが先に死んでいいと思うか?まだまだ俺らは下手くそだろ?だったら練習するしかねぇじゃん!!」


俺の気持ちがどこまで通じるかなんて分かんないし、俺だって不安だ。

でも止まってるわけにはいかないだろ?


「……爽がまともだ」


励ちゃんがポツリと呟いた。

は?俺はいつでもまとも!!

また意味不明なことを。
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