【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「咲智ちゃんの唇、柔らけー♪」


ニッて俺が笑った瞬間、ボンッて湯気でも出そうなぐらい真っ赤になった。


「お!?トマトみてぇな顔!!」


「やー、見ないでよー」


必死に顔を隠す姿に、ついまた笑ってしまう俺。


「ははは!!かわいいなーっ」


ボンッ


「もう止めてー」




こういうときの女の子ってズルイよね。

恥ずかしがったり、照れたりしてもかわいいし。


男だとキモいーってなるけど。


それからたくさん話して、じゃれあったりもした。


この頃の放課後は、部活で上半身の筋トレするか、病院か、彼女と過ごすかのどれかだった。


そして、高校最初の練習試合が決定した。

もちろん俺は出られないけど、当然応援には行くつもり。


そのことを彼女にも伝えた。
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