【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「え、その日あたしの誕生日だよ?」


一瞬にして顔が曇ったのが分かった。


「あ、そうなんだ?おめでと♪」


何かプレゼント買わなきゃなんないな。

そんなのんきな考えは、次の瞬間簡単に吹き飛んだ。


「試合には出られないんでしょ?だったらあたしと一緒にいてよ」


「それは無理だよ。俺、野球部だし」


「嫌だ!!誕生日ぐらいいいじゃんっ」


はぁー…意味分かんね。




「俺にとって野球が一番だって言ったよね?」


付き合う前に伝えた。

それでもいいって言ったんじゃん。


「でもあたし彼女だよ!?」


まだ付き合って間もないし。


「じゃあ、別れよっか」


咲智ちゃんのこと、いいと思い始めてたのに。

でも、野球以上には見れない。


ごめんね、バイバイ。
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