恋する受験生
「好きって意味わかってる?お前が言ってるのは、ケーキが好きとか焼肉が好きっていう好きなんだよ」
ケーキが好き?
焼肉が好き?
その“好き”は、こんなに胸をときめかせる?
「違う!!!! 俊がいてくれたら、何でも頑張れるもん。私、ケーキがあってもこんなに頑張れない。だから、この気持ちは恋なんだよ」
困った顔をする?
それとも、バカにして笑うかな?
振り向いた。
鞄を持ったまま、立ちすくむ俊。
困っている顔でもなく、笑ってもいない。
「ありがとう!」
俊は、無邪気な子供のような笑顔で私に微笑んだ。
純粋な瞳。
キラキラした瞳。
俊、大好きだよ。