恋する受験生
電話を切ると、俊はわざとらしい長いため息をついた。
「はぁーーー、お前ってヤツは。ほら、帰るぞ」
俊は、私の肩に手を回して、ポンポンと肩を叩いた。
そのまま、肩を組んでくれるのかと期待したけど、違うみたい。
「送ってくれるの?」
「送らないと、またどっか行きそうだから」
俊は友達の所へ行き、先に帰ると言った。
太った大きな声の友達が私をジロジロと見た。
「また、いつもの手口でゲットか?」
「うるせーよ!!」
俊は怒った口調でそう言って、私に手招きした。
もしこの間の出来事を目撃していなかったら、今ショックを受けている所だったよね。
「あ、その子!この前言ってたぬいぐるみで声かけた中学生?」
声のでかい男の人は、余計なことを言うのが好きなようだ。
「本気でキレんぞ?もう黙れって!!」
初めて聞いた俊の本気で怒った声。
男の人なんだなって改めて感じるような声。
優しい俊しか知らない私には、驚きだった。