恋する受験生
「良かった…… 嫌われたんじゃなかったんだ」
そう言ってすぐに体を離す。
私の肩を掴んだ手がすごく力強くてドキドキする。
「ごめん。あれ?俺…… ごめん」
「…………」
いい返事が浮かばない。
だって、経験ないもん。
何を言えばいいんだろう。
「俊!! 大好き」
やっぱりこれしか言えない。
大好きだもん。
俊が、世界一好き。
「好きでもない子に勉強なんて教えるわけないだろ?早く気付いてよ」
「え?」
「合格するまで言うつもりなかったけど…… 高校生になったら、俺と付き合ってくれる?」
夢じゃないよね?