【短】キミ、幽霊ですけど!?
「俺も、ゆりのことがまだ好き。 好きで、好きで、たまらないから、会いに来た。 本当は、来ちゃいけなかったんだけど…」
「あたしは、会いに来てくれて、うれしかったよ。 最初はびっくりしたけど」
「だな~。 そりゃぁ、びっくりするよな! だって幽霊だもん」
「うん」
「俺、わかったんだ」
「なにが?」
「俺じゃぁ、ゆりを幸せにできないって」
「そんなことないっ! あたしは、ナツがそばにいてくれるだけで…」
顔をあげたとき、ナツの姿は隣にはなかった
……ナツ?
「俺、そばにいることもできないんだ。 幽霊だから、むこうの世界に帰らなきゃ」
「ナツ!? どこにいるの?? ナツっ!?」
「ゆり、むこうの世界から、ずっとおまえのこと見てるから。ず~っとゆりだけを見てるから」
「まってよ、ナツ!!!」
声は聞こえるのに…
姿は見えない
なんで??