【短】キミ、幽霊ですけど!?
「ナツ! だから、待ってって!!」
「ごめん。待てない。 俺は…もう、ゆりには会えないんだ」
「どーゆーこと!?」
「ケンとかゆーやつと、幸せになれよ! 本当は嫌だけど」
「本当は嫌なら、ナツがあたしを幸せにしてよ!」
「そうしたいけど…あ、ごめん、時間みたい。 じゃーねゆり。 あのバカップルにもよろしく言っといて。 あとケンには"しかたない譲ってやるよ"って! 最後にゆり…世界で一番大好きだから。」
それっきり、ナツの声は聞こえなくなった
あたしは、その場にすわりこんだ
涙が、こぼれ落ちる
「ばかだ…ナツは馬鹿だよ」
ケン君は断ったっつーの!
なのに、なんで…
ケン君に譲られなきゃいけないんだよ!!
「ナツの、大バカ者ぉぉぉーーー!!!!!!!」
これくらい、大きな声で叫ぶと、天国にも届くのかな?
ナツ、帰ってきてよ…
幽霊でも、なんでもいいから
あたしは"ナツ"が好きなの!
人でも幽霊でも"ナツ"は"ナツ"なんだから…
あたしが世界で一番好きなのは、ナツなんだから!!!!