フローラ・ダン
「災い??」

ガーネットはハッと何か思い出した様な顔をして言った。

「あら、そうだったわ。教えるって言ってたのにタイが来て忘れちゃってたわ!」

そう言ってガーネットはクスクスと笑った。

だがフローラには、無理して笑ってるように見えて胸が痛んだ。

(災いといいタイといい、いったいこの子は何を抱えているのかしら…すごく気になる……気になるけど、この子が思い出して辛いなら、まだ知らなくていいわ…)

そして今では哀しげな瞳でうつむいてしまっているガーネットに話しかけた。

「ねぇガーネット?私に教えてくれる為にあなたが辛い思いをするのなら、まだ話してくれなくていいのよ??」

ガーネットは一瞬うるんだ瞳でフローラを見つめ、すぐにハッとして首を横に振り何かを決意したような顔になり言った。

「ぃぃぇ…いいえフローラ!教えるわ!…その気持ちはすごく嬉しい…けれど私は逃げちゃいけないわ…逃げちゃいけないのよ!」

ガーネットはフローラに、、そして自分にも言い聞かせるように言った。
フローラはその姿にまたも胸が痛んだ。

だが、今度は聞こうと決め、訪ねた。

「じゃあ、聞くわ!…いったい何があったの??それは“悪魔”が関係しているの??」

ガーネットは哀しげに微笑み言った。



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