アナタしか欲しくない
「ど、して…?」






ズキズキする腕と、地面についたお尻。




でも



それよりも痛いのは、胸。




タカちゃんに拒絶されたって事実が、胸を苦しいくらい痛める。





腕を叩き落とすほど、ミイとキスするのが嫌だった?





『ミイ、ごめんっ』





座り込むミイを起こそうとタカちゃんが手を差し出す。




その手をボンヤリと見ながら口を開いた。





「ねぇタカちゃん。…タカちゃんがいう“大人”って何歳から?ミイはいつまで待てばいい?」




タカちゃんの手がミイに届く少し手前で、止まった。




『それは…』





歯切れの悪い口調。




「ちゃんと答えて。タカちゃんはミイがハタチになったら、その時はちゃんと見てくれるの?」





大人の女性として、


恋愛の対象として…




ちゃんと見て、くれる?









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