アナタしか欲しくない
誕生日の前日、ひとり暮らしをしているアイ姉に呼び出されて、家を訪ねた。




『はいこれプレゼントね。ミイがずっと欲しいって騒いでたワンピースだよ。開けてみて?』




渡されたのはミイが大好きなショップの名前が入った、大きな紙袋。




「アイ姉ありがとう」




中身を開けてみると、ずっと欲しかった黒いワンピースが入っていた。




胸元が少し開いてるけど、そこにレースがきれいにあしらわれてるひざ丈のフワッとしたワンピース。




『明日はそれをきて貴志くんとデートなんでしょ?』



優しく笑うアイ姉に、曖昧に笑ってかえすと、アイ姉は『あれ?違うの?』と首を傾げた。





ミイだってそのつもりでこのワンピースをアイ姉にねだったんだけど。




着て見せたいヒトに見せることは、もう叶わない。





パパもままもおばーちゃんも。アイ姉だってみんな、イブはミイがタカちゃんと過ごすのが当然と思ってるらしくて、今さら違うとは言えなかった。




違うと知ってるのはマイ姉だけ。





でもそれでいいや、と思った。




だってみんなにいちいちフラれたなんて説明したくなかったから。




これ以上傷口を広げる行為はしたくないもん。




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