アナタしか欲しくない
「タカちゃん、24日は何してるの?」




『平日だし普通に仕事してるよ』




ミイの家までの短い距離をふたり並んで歩く。




寒さを理由にタカちゃんの腕にカラダを密着させてしがみつく。




タカちゃんは嫌がらない。



それってほんの少しでも、ミイが好きだから嫌がらないんだって、思ってもいいよね?





「仕事だっていうのは知ってるよ。聞きたいのはその後の予定!まさか予定ありなんて言わないよね?」





『今年もミイを祝ってくれる人、いないの?』




「うん。みんなカレシと過ごすんだって」




なんて、本当は毎年カレシのいない友達からパーティに誘われてるんだけどね。



シングルだらけの集まりに参加するよりも、タカちゃんと過ごしたいに決まってる。



だからお誘いは毎年断ってるんだ。




もちろんタカちゃんにはそんな事実は絶対言えないんだけど。




でも、それくらいのウソ許してよ。




だって、ミイの誕生日は




『ミイの家族は?一緒に過ごさないの?』




12月24日なんだよ?




「パパとママはふたりでディナー行くって。おばーちゃんは町内会の人たちと温泉旅行。アイ姉は彼氏と、マイ姉は合コンって言ってた」




『今年もミイの誕生日よりイブを優先、って事か……』





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