レクイエム
「あいつらは一人前の海の男だよ。…正直に私が魔族に狙われてるから、巻き添えにする前に抜けるって言ったって無駄だよ。敵わないと分かってても、相手が魔族であろうと戦うって言うわ」
「だからわざわざ奴らに失望させるような事を言ったんだな?」
顔を上げないまま、コクリと頷くナキ。
「あの一番年喰った奴なんだが」
「…ジレナフの事?」
急に仲間の話を振られてゆっくりと顔を上げる。
「あいつだけは負の感情を感じなかった」
「どういう事?」
「あいつはお前の嘘に騙されなかったって事だ。まだお前を信じているからこそ、失望もしない」
アレスの言葉に、ナキは目を見開いた。
ジレナフの姿が脳裏に浮かんで、色々な思い出がよぎった。
シベリクスの死後は彼がクレンスと共に我が子のように育ててくれた。
リヴァーズの頭領を継いで皆が女の自分を誰も認めてくれなかった時も、いつも支えてくれた。
反吐が出るくらいの厳しい修行もつけてくれた。
「だからわざわざ奴らに失望させるような事を言ったんだな?」
顔を上げないまま、コクリと頷くナキ。
「あの一番年喰った奴なんだが」
「…ジレナフの事?」
急に仲間の話を振られてゆっくりと顔を上げる。
「あいつだけは負の感情を感じなかった」
「どういう事?」
「あいつはお前の嘘に騙されなかったって事だ。まだお前を信じているからこそ、失望もしない」
アレスの言葉に、ナキは目を見開いた。
ジレナフの姿が脳裏に浮かんで、色々な思い出がよぎった。
シベリクスの死後は彼がクレンスと共に我が子のように育ててくれた。
リヴァーズの頭領を継いで皆が女の自分を誰も認めてくれなかった時も、いつも支えてくれた。
反吐が出るくらいの厳しい修行もつけてくれた。