レクイエム
ちょうどナキが注文した酒がカウンターに置かれた。
それを自分の方に引き寄せ一口飲み下す。


「仲間を危険な目に合わせたくないのよ。積み荷を盗んでる時点でいつ捕まってもおかしくないから矛盾した話だけどね」

「昔貴族の…セフィア殿の乗った船が海賊に襲われた事件あっただろう。あの時にリヴァーズが海賊を追っ払ったからファンもいるんだよ」

「まぁ追っ払った海賊のお宝はしっかりともらったけどね」


そんな偽善者じゃない、とナキは苦笑した。

彼らの普段の活動はもちろん船上荒らし。ただロゼルスが言ったように、ターゲットは限られている。それは麻薬や奴隷取引など違法に関連してる船であったり、何の罪もない船を襲う海賊を狩ったり…裁かれるべき者のみを狙っている。
リヴァーズのおかげでパール海では海賊達は自由に暴れる事が出来ないのである。その為真っ当な商船や連絡船は安心してパール海を通れると、リヴァーズを支持する者までいる。
昔リヴァーズに助けられたセフィアが、国で発言力の強い貴族でもある為なかなか捕獲に踏み切れないでいるのだ。
< 9 / 110 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop