真実の鏡
「コレもボクの血が作り出す、妙縁なんでしょうかね」

そう言って、鏡を取り出した。

鏡に映るのは、カルマの正体。

「生者の父と、死者の母の間に生まれたのがこのボクですからね。まっ、こっちの姿もアリでしょう」

正確に言えば、カルマは死体となった母から生まれた。

臨月の母は病に倒れ、そのまま亡くなってしまった。

だが父は母やカルマのことを思い、生きたままの姿で埋葬した。

…ところが翌日。赤ん坊の声が墓の下から聞こえてきた。

そう、カルマは死にながらも生まれたのだ。

一度は完全に死んだカルマ。

だが両親の強い思いから生まれたカルマ。

「でも、随分と皮肉な名前を付けられたものですね。気に入ってますけど、ね」

そう言ってカルマは鏡を抱えながら歩き出した。

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