真実の鏡
「やれやれ。まさかこんなところで、ボクの正体が映し出されるとは、予想もしていませんでしたよ」

そう言って右手を上げる。

右手は淡い光を放っていた。

そのまま右手を壁に付けると…

ピシピシッ…ドカッ!

壁にヒビが入り、砕け散った。

しかしカルマが手を押し当てていたところには、アンティークの鏡があった。

「盗むことも破壊することも移動することもできず、埋められちゃっていたんですね」

深くため息をつくカルマ。

鏡は埋められていたにも関わらず、その美しさは損なわれていなかった。

金に縁取りされた、丸い鏡。縁には紋様が刻まれており、鏡の面を囲んでいた。

その鏡にはハッキリと映し出されていた。

カルマの真実の姿―【死神】と呼ばれたものが。

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