真実の鏡
カルマと名付けたのは、父親だった。

カルマ―業を背負うもの。

生者でありながら、死者でもあるもの。

またはどちらでもない存在として。

そのことが本当に業なのか、カルマは分からない。

ただ、生きていて欲しいと強く願われて、生まれてきたことは自覚していた。

「だから…ボクは生きるんですよ。お母さん」

漆黒の空に浮かぶ、満月を見上げながら、カルマは微笑んだ。

「父さんとも仲良くしてますから、安心してくださいね? 滅多なことじゃ、正体はバレませんし…」

…まあ同属を除けば、だが。

「勉強も運動も頑張っています。友達も多いんですよ? 好きな人はいませんが、尊敬している人はいます。…なかなか良い人生を送っていると思いませんか?」

そしてカルマは目的地へ着いた。

< 11 / 15 >

この作品をシェア

pagetop