真実の鏡
「はぁ…。【死神】ですか」

「何だよ、カルマ。無関心そうに」

「ええ、でも現実味が無くて…」

高校一年の男子生徒・カルマは男友達の言葉に苦笑した。

「そういう学校の怪談って、ボク達1年生を脅かす為に上級生が教えるものなんじゃないんですか?」

「最初はそういう話も出たよ。実際3年生から聞いたって話だし…。でも目撃者がこうも続くとなぁ」

「怖いわよねぇ」

近くにいた女子生徒達も話しに加わった。

「う~ん…」

不安げなクラスメート達を見て、カルマは首を傾げる。

中性的な顔立ちと柔らかな口調と物腰から、カルマは生徒達からよく話しかけられていた。

「でも壁ですか…。…その壁について、誰か詳しく知らないんですか?」
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