【完】青春PLAYBALL!!
「・・・・・・やば」


修平は俺に背中を向けた。


「何?どうした?」


「別になんでもねえよ」

そんなやりとりをしていると、制服姿の綾がやってきた。


「二人とも早いね。おはよ・・・って修平はなんで泣いてるの?」


「バッカ!綾!シーーーッ!」


あいかわらず分かりやすい修平を見て、俺は声をあげて笑った。


「なんか元気そうだね?昔の尚哉なら、試合前暗くなってたのに」


綾が俺の笑う顔を覗き込みながら、ニッと笑う。


「汐崎さんのおかげ?」


「え?」


「・・・・・・ううん、なんでもない。尚哉、今しか言えないから言っておく。幼なじみとして・・・修平も。絶対勝ってね」


綾は俺と修平の手をぎゅっと力強く握った。

綾はしばらく手を握ると、コクンと頷いた。


そして俺たちに笑顔を送り、颯爽とホームへと入っていった。


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