純白の翼
淡く光を弾く満開の桜の木の上に、少女が座っていた。

その背には、制服からはみ出たらしい、翼が大きく広がっている。
純白の羽根と薄ピンクの花びらが散る光景は圧倒的な美しさを僕に見せ付けていた。
燃えるような赤毛の短い髪の少女は、紺のブレザーをワイシャツに羽織った姿で僕をじっと見つめていた。
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