Tears〜硝子細工の天使〜
体を起こし、反射的に車から降りようとドアに手をかけた瞬間
よしきの車の助手席に人影を確認した。
髪の毛はセミロングでストレート
シルエットから見て、どう考えても女だった。
《…あ…あおい…さん?》
かほはショックに打ちのめされた。
こんな所にいる自分がとても滑稽で
慌ててエンジンをかけると、急いでその場から立ち去った。
……来るんじゃなかった…
来るんじゃなかった…
馬鹿みたい……!
涙が溢れて、硝子の向こうがぼやけて見えない。
それでもかほはずっと車を走らせた。
運転することで、少しでも気を逸らしていないと
どうにかなりそうだったから……
なんとか家まで辿りつくと、一目散に布団に駆け込み
子供達に聞かれないよう、声を殺して泣き続けた。
《あの二人は続いてるんだ…
どうして?なぜ?》
悔しさが込み上げて来る。
馬鹿にしてる!
こんなことって…!!
結局よしきはあおいさんを選んだってこと?
私の《負け》なんだ。
私が《負け》たんだ・・・・・
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