かんけりっ!



余裕で、か。


「何かあったの?」


「……ええ、まぁちょっと」


あの茜子の言葉。


「本気で缶蹴りをやる気がないならこの辺でやめておいた方いい」


あれが脳内で何度もリフレインするのだ。


本気。


僕は、本気で缶蹴りをやってるのか?


もし仮にそう問われたら僕はどう答えるだろう?


正直な所、胸を張ってやっているとは言えない。


ならば僕はもう、缶蹴りを辞めた方がいいんじゃないか?


「……何か悩みがあるなら相談に乗るよ?」


桃東先輩の手が僕の肩に置かれる。


「いえ、大丈夫です」


僕はのっそりと立ち上がり桃東先輩に言う。


「……ねぇ、先輩」


「うん?」


「僕の姉は、強かったですか?」


「……強かったよ」


★ ★ ★


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