†声優アイドルの男子高校生†【1】
床に座る俺は

たたく美奈子の手をとって、

引き寄せた。




俺の膝に、美奈子を座らせる。




「言えよ、これみたいに。
俺が好きだって。そしたら、やめてやる」



「だって、これは、お仕事だから・・・・・・」





ぽっと、頬に赤みをさす美奈子。




高校生から、美奈子は声優として、活躍しだした。




独特な個性をもった高い声は、遠くに響くまで反響する。


肩まで伸びた
サラサラの焦げ茶色の髪から、石けんの香り。


白い肌は、太陽にあたるとふらつきそうなくらい
か弱そうにみえる。

見えるだけで、美奈子はいつも明るくて元気。


ぱっちりした丸い大きな目のまつげが、くりっとして、

小動物みてぇ。




「し、翔ちゃんも言う? 美奈子が、好きだって」




息がかかるほど
お互いの顔が近いまま
美奈子は聞いた。





「美奈子は、人気声優アイドルだろ?
 俺は、ただの普通の高校生」



「ちがうよ。翔ちゃん、もてるから、普通じゃないよぉ」




美奈子は甘ったるい声で、言った。





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