手のひらに、桜


・・ん??


そこで、ふと

原中先輩が何も言ってきていないことに気づいて

不思議に思った


原中先輩のことだから、

我先に私をからかってくる気がしてたのに・・・


不思議に思って先輩の方を見ると

先輩は、今まで見た中で一番柔らかい笑顔をして

桜の下に立っていた


私が先輩を見ていることに気づくと

慌てたように口を押さえて

私のほうに歩いてくる


何か言いかけるように、

一瞬口を開けたけど、すぐに閉じる


それから、私とは目を合わせないようにしながら

頭にポンと手を置いた


一瞬、また戸惑ったけど

すぐにやられてることが分かって

先輩の手を頭から落とす



「子ども扱いしないでよ・・」


そう言いながらも、

さっきの先輩の手は、

一昨日の手と違う気がして

胸がドキンとしてしまったけど・・


それに、先輩の頬

心なしか、赤く見える―――




シーンと、中庭が静かになった


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