世界で君だけ。


「せ、せんぱい……」


恐る恐るそう呼ぶと、先輩は我に返ったように



『あ、や……

何でもない』



そう言ったんだ。




お弁当を作ってくれる人はもういないってことは……





先輩のお母さんは、


亡くなってしまったってこと?



私なりに考えを張り巡らせてみるけれど、今の先輩にそれを聞くことはできない。



入り込んじゃだめ。



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