夜  話  
皎の姿から目を離せないままに、わたしはただぼんやりとしたままで、皎を見つめているだけでした。


「そこまで、見惚れるほど俺は良いオトコか?」


からかうような皎の言葉にも、魂が彷徨い出てしまったような状態のわたしは、ただ素直に頷くだけの反応しか出来ないのでした。


そんなわたしの様子に苦笑を浮かべた皎は、すうっと滑るように中空を移動して、わたしの目の前に立ち、その白磁のような指でわたしの額をぴん、と弾きました。


「痛っ!」


瞬間、鋭い痛みがわたしの身体を走りぬけました。
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